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笹やん 待ちぼうけ

午後3時・・

バイト先の冷凍食品センターの事務所脇にある自販機で、冷たい
飲み物を買って、僕らが休憩していると・・

そこへセンター長がやってきて、

  おう、笹〇…、
  スマンがちょっと助けてやってくれ。

笹やんに、そう言いました。

笹やんは、ベンチに腰掛けたまま、面倒臭そうな目つきでセンター長を
見上げ、黙っています。

  たった今、配達中のイセキューから
  連絡が入った。
  あいつのトラック、バッテリーが
  あがったらしい。
  エンジン掛からんと言ってきやがった。
  おまえ、悪いけど、ちょっと助けに行って
  きてくれ。

  ・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・

  場所は△△スーパーの駐車場や。
  幸いなことに納品が全て終わった
  後の故障や。
  あそこなら車で30分も掛からずに
  行けるやろ。

  ・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・

  わりぃけど、物流課の事務所へ行って
  ブースターケーブル借りて、空いている
  1トン車で向かってくれ。

  ・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・

  物流課の課長の話では、イセキューの
  トラックのバッテリー、まだ交換して
  1年しか経ってないらしいし、こんな時期に
  あがるなんて珍しいことだわな…。

  ・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・

  おい…

  ・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・

  おいッて!

  ・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・

  何や?
  早く助けに行ってやれよ。

  ・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・

  どーしたンや!?
  さっきから黙り込んで。。

センター長が声を荒げました。

すると笹やん、新しいタバコを口にくわえ、こう言いました。

  オレ、あいつ苦手なんスよ…。

ちょっと間を開けてセンター長が言います。

  あいつが得意なヤツなんか
  おらんやろ…。


  ・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・

再び沈黙する笹やん。。。

  なあ、頼むで行ってやってくれよ!
  おい、頼むわ!

何とか笹やんに腰を上げてもらおうと、必死のセンター長。。。

  だったら、センター長が行ってくりゃ
  イイじゃんねー。

ワザと冷め切った口調で言う笹やん。

  オレはいろいろとやることが
  あるンやて!

熱く吠えるセンター長。。

  オレだっていろいろ
  あるじゃんねー!

少し熱くなってきた笹やん。。。

  こんな所に腰掛けてタバコ吸ってるくせに、
  何がいろいろだ!
  とにかく行ってこい!

  休憩くらいしてもイイっしょ!
  それとも何ですか?
  休まずに働き通せって言うんスか?

  おめーが働き通す姿を、オレは一度も
  見たコトねーわ!
  ウダウダ言ってねーで、さっさと
  行けっつーの!

笹やん&センター長の寸喜劇、始まり始まり~。。。

僕らは期待に胸をワクワクさせていると、そこへセンター長の
携帯電話の着信音が鳴り響きました。

♪♪♪~~

  あっ!
  イセキューからや・・!

センター長は、少し慌てて携帯電話に出ました。

  ・・・・・おお、ちょうど今、そっちへ
  向かったところや。

  誰が来てくれるのーーー?

  ・・・・・さ、笹○や。。。

  頼むで早くしてーーーっ!
  もう30分以上、待っとるんやわーーーー!

  ・・・・・わかった、わかった。。
  もうちょっと我慢しとれや。

  暑くてたまらんわーーー!
  早よしてーーーーー!

  ・・・・・わかった、わかった。。。

このイセキューと呼ばれるドライバーは、普段から、やたら声が
デカくて・・

デカいだけでなく、実によく通る声で、まぁ、質の良い声だと
言えるのでしょうけど・・

辺りの空気が激しく振動して、メッチャ耳障りです。。。

こうして携帯電話からでも、イセキューの声は丸聞こえなのです。

センター長から離れてた位置に立っている僕の耳にも届くわけ
ですから、センター長自身、おそらく鼓膜が既にやられている
ことと思います。。。

で…

電話を切ったセンター長に、

  何でオレの名前、出したんスか!?

険しい目つきで噛みつく笹やん。。。

センター長は、左の耳を指でほじりながら、

  しゃーないやろ。。。
  な、頼む!
  この通りや!
  行ってきてくれ!

そう言って、最後には笹やんに手を合わせました。

  しゃーないナァ…。

笹やん、渋々ながら行く決心をしたようで・・

  でも、ひとりじゃイヤですよ。
  誰か一緒に来てもらわないと。。

センター長に、そう言いました。

  はあー!?
  何で、そんなコト、ひとりで
  行けんのや?

呆れたように言うセンター長ですが、結局は折れて、笹やんには
僕がついて行くことに・・

・・って、何でオレが行かなアカンのや!

僕は、そう思いつつ、小型トラックを運転することに。。。

道は、笹やんが教えてくれる通りに車を進めていきます。

  おい、あんまりスピード
  出さなくてイイぞ。
  もっとゆっくり行ってくれ。

助手席から笹やんが言いました。

でも、言われるほどスピード出していませんので、僕が怪訝そうに
笹やんの方へ顔を向けると・・

  わざとゆっくり行ってな…、
  それでイセキューの野郎、
  じらせてやるのサ…。

そんなコトしたら、着いた時、イセキューに思いっきり吠えられて
本当に鼓膜、破れちゃうかもナ。。。

この時期、車中で待っているのか、それともトラックから出て、
駐車場で待っているのか知りませんけど・・

いずれにしても暑いでしょうね~。。。

待たされる身にとって、余計、暑さが堪えると思います。

さて、センターを出発して40分後、△△スーパーの駐車場に到着。

イセキューのトラック発見!

すると、イセキューも笹やんを見つけたらしく、トラックのドアを
開けて、フラフラっと地面に足をつけ、

  遅いわーーーっ!
  笹やーーん!

汗だらけの顔は真っ赤になっており、シャツも汗でびっしょりの
イセキュー。。。

それでも声だけは元気に響き渡っているのです。

  1時間以上、こんな所で
  待たされてぇーー!
  もう死にそうやてーーー!

ビィィ---------------ン

  ビン ビ--------------ン

  ビィィ----------------------------ン

屋外だと言うのに、辺りの空気が激しく振動しているようで、
イセキューの大き過ぎる声が耳に障ります…。

  さあ、早いとこエンジン
  掛けてくれーーーー!

ビン ビ--------------ン

ビィィ----------------------------ン

  チッ!
  うるせーな…。

笹やんは、舌打ちしながら小声で言って、助手席の下の引き出しを
開けましたが・・

  あ・・
  忘れた・・

バッテリーを接続するための、肝心のブースターケーブルを積み忘れて
きたのでした。。。

そんな笹やんを見て、イセキュー、ますます顔を真っ赤にしながら、

  はあーーーーーーーーーーーっ!!!
  何しに来たのーーーーーーーーーーーーーっ!?

MAXボリュームで吠えました。。

笹やん、マジで両耳を手で覆いながら、

  うるせー!
  元はと言えば、おめーが点検を
  怠っているから、こういうコトに
  なるんだろ!

ま…、そんなわけですから…

笹やんと僕は、センターへ引き返して、ケーブルを持ってくるしか
ありません。。。

・・ってコトで、イセキュー、さらに待ちぼうけ。。。

僕は、小型トラックのハンドルを握りながら、ふと思ったンです。

  ひょっとして、笹やん…
  わざとケーブル忘れてきたんじゃ…

助手席で笹やんは、呑気にスヤスヤ眠り込んでいるのでした…。
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